抄録
[目的]しゃがみ込み不可能群と可能群を分類し,しゃがみ込み動作の可否と性差の比較について検討した.[対象]18歳から20歳までの健常者304名(男性198名,女性106名)であった.[方法]先行研究を元にしゃがみ込み動作を規定し,対象者を2人1組として,1人は被験者としてしゃがみ込み動作を行い,もう一方を評価者としてしゃがみ込み動作の評価をさせた.[結果]対象者全体でしゃがみ込み不可能群は22.4%であった.しゃがみ込み動作の可否と性差の比較では,有意差は認められなかった.[考察]本研究のしゃがみ込み動作の規定において,膝関節を矢状面上に屈曲を行うようにしたことが,股関節の外旋増大を抑制し,性差に有意差が認められなかった結果につながったのではないかと考えた.